ピンクムーン、ストロベリームーン、スタージェンムーン、ハーベストムーン…最近よく聞く月の名前について~由来はネイティブ・アメリカン

最近、満月の日になると、SNSやニュースなどで「〇〇ムーン」という名前をよく目にします。先日の水瓶座満月でも「スタージェンムーン」という名前がちょっとした話題となりました。

ピンクムーン、ストロベリームーン、ハーベストムーン…。この「〇〇ムーン」、どこからきたものかご存知ですか?

これは、アメリカを中心に欧米で使われている満月の名前だそうです。そしてそれは遡ると、ネイティブ・アメリカンの暮らしに由来するものでした。

蟹座に月がある今日は、これら12か月の満月の名前と由来(?)についてまとめてみました。

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ネイティブ・アメリカンの暮らしと月の関係

その昔、月は人々の生活の指針のようなものでした。まだカレンダーがなかったころ、人々は月の満ち欠けとともに生活を営んでいました。季節の移り変わりの満月を、農作業や狩猟などの目安にしていたのです。

グリニッジ天文台の天文学者パトリシア・スケルトン氏によれば、「数千年の間、月は季節の変化を追跡し、狩猟、植栽、収穫に最適な時期を決定するために役立てられていました。月ごとの満月に与えられる名前は、満月が現れる時期の自然や気象条件を象徴しています」ということです。

アメリカの農業暦「The Old Farmer’s Almanac」には、ネイティブ・アメリカンが使っていたと言われているこれら各月ごとの満月の呼び方が書き記してあり、これらはアメリカの農業暦の元にもなっているそうです。

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ネイティブアメリカンが名付けた1月から12月までの満月の名前

毎月の満月には、それぞれ名前があります。現在一般に広まっている名前は、主にネイティブ・アメリカンの部族が季節を知るために名づけたものだそうです。

●1月「ウルフムーン/Wolf Moon(狼月)」

【1月の満月の名前】
・「ウルフムーン/Wolf Moon(狼月)」
・「オールドムーン/Old Moon(古月)」
・「アイスムーン/Ice Moon(氷月)」

1月の満月の名前は、狼の遠吠えにちなんだ「ウルフムーン(Wolf Moon)」、和名は「狼月」。真冬の食糧不足で飢えた狼が遠吠えしているのを聞き、ネイティブアメリカンや中世のヨーロッパの人々が名付けたそうです。1月の満月はほかに「オールドムーン」や「アイスムーン」などとも呼ばれています。

●2月「スノームーン/Snow Moon(雪月)」

【2月の満月の名前】
・「スノームーン/Snow Moon(雪月)」
・「ストームムーン/Storm Moon(嵐月)」
・「ハンガームーン/Hunger Moon(飢餓月)」

北米の2月は寒さが厳しく1年で一番多く雪が降ることから、2月の満月の名前は「スノームーン(Snow Moon)」、和名は「雪月」です。そのほかにも吹雪を表す「ストームムーン」や、狩猟が困難となり雪と寒さで食料がなくなることから「ハンガームーン」とも呼ばれています。

●3月「ワームムーン/Worm Moon(芋虫月)」

【3月の満月の名前】
・「ワームムーン/Worm Moon(芋虫月)」
・「クラストムーン/Crust Moon(堅雪月)」
・「サップムーン/Sap Moon(樹液月)」
・「チェイストムーン/ Chaste Moon(純潔月)」
・「デスムーン/Death Moon(死月)」
・「クロウムーン/Crow Moon(カラスの月)」
・「レンテンムーン/Lenten Moon(質素な食事の月)」

冬の終わりを迎える3月の満月の名前は「ワームムーン」、和名は「芋虫月」です。雪解け後に暖かくなった地中から出てきたミミズがはった跡にちなんでつけられたそうです。

そのほか、雪解け水が夜に凍って表面が固くなった雪を表した「クラストムーン」、メープルシロップの原料になるカエデの樹液採取ができる時期にちなんだ「サップムーン」、由来はわかりませんでしたが、ほかにも「チェイストムーン」「デスムーン」「クロウムーン」「レンテンムーン」などという呼び名があります。

●4月「ピンクムーン/Pink Moon(桃色月)」

【4月の満月の名前】
・「ピンクムーン/Pink Moon(桃色月)」
・「スプラウティンググラスムーン/Sprouting Grass Moon(萌芽月)」
・「エッグムーン/Egg Moon(卵月)」
・「フィッシュムーン/Fish Moon(魚月)」

4月の満月の名前は「ピンクムーン(Pink Moon)」、和名は「桃色月」です。北部に住むネイティブアメリカンは、開花の早い野花・ピンク色のフロックスにちなみ、そう呼んでいたそうです。

他の文化や部族では、春になり木々が一斉に芽吹く時期を表す「スプラウティンググラスムーン」、産卵するために川を遡る魚から「エッグムーン」「フィシュムーン」と呼んでいたとか。

●5月「フラワームーン/Flower Moon(花月)」

【5月の満月の名前】
・「フラワームーン/Flower Moon(花月)」
・「ヘアムーン/ Hare Moon(野ウサギ月)」
・「コーンプランティングムーン/Corn Planting Moon(トウモロコシの種蒔き月)」
・「ミルクムーン/Milk Moon(ミルク月)」

5月の満月の名前は花が咲き乱れる時期に由来し、「フラワームーン(Flower Moon)」、和名は「花月」です。多くの花が咲く5月の満月は、様々な国や民族、文化で「フラワームーン」と呼ばれています。そのほか、「ヘアムーン」「コーンプランティングムーン」「ミルクムーン」という呼び名があります。

●6月「ストロベリームーン/Strawberry Moon(苺月)」

【6月の満月の名前】
・「ストロベリームーン/Strawberry Moon(苺月)」
・「ホットムーン/Hot Moon(暑気月)」
・「ハネムーン/Honey Moon(恋人の月)」
・「ローズムーン/Rose Moon(薔薇月)」

北米では6月に苺が熟し、収穫が行われることから、6月の満月は「ストロベリームーン(Strawberry Moon)」、和名は「苺月」です。ほかの文化や地域では夏の最初の満月、夏の暑さの始まりを意味する「ホットムーン」、ヨーロッパでは「ローズムーン」とも呼ばれています。

●7月「バックムーン/Buck Moon(男鹿月)」

【7月の満月の名前】
・「バックムーン/Buck Moon(男鹿月)」
・「サンダームーン/Thunder Moon(雷月)」
・「ヘイムーン/Hay Moon(干し草月)」
・「ライプコーンムーン/Ripe Corn Moon(熟したトウモロコシ月)」

7月の満月は「バックムーン(Buck Moon)」、和名は「男鹿月」です。雄鹿は毎年7月に角が生え替わることから名付けられたそうです。ほかには、嵐が多発することから「サンダームーン」、7月に干し草の収穫があることから「ヘイムーン」、トウモロコシが熟す時期であることから「ライプコーンムーン」とも呼ばれています。

●8月「スタジェンムーン/Sturgeon Moon(チョウザメ月)」

【8月の満月の名前】
・「スタジェンムーン/Sturgeon Moon(チョウザメ月)」
・「グリーンコーンムーン/Green Corn Moon(青いトウモロコシ月)」
・「グレインムーン/Grain Moon(穀物月)」
・「レッドムーン/Red Moon(赤月)」

8月の満月の名前は、成熟したチョウザメの豊漁にちなみ「スタジェンムーン(Sturgeon Moon)」、和名は「チョウザメ月」です。そのほか「グリーンコーンムーン」「グレインムーン」「レッドムーン」という呼び名があります。

●9月「ハーベストムーン/Harvest Moon(収穫月)」

【9月の満月の名前】
・「ハーベストムーン/Harvest Moon(収穫月)」
・「コーンムーン/Corn Moon(トウモロコシ月)」
・「バーレイムーン/Barley Moon(大麦月)」

9月の満月の名前は、作物を収穫する秋分後の時期を表す「ハーベストムーン(Harvest Moon)」、和名は「収穫月」です。夜間の収穫を助けてくれる満月の特別な明るさや、月の出が早いことも表しているそうです。ほかにも、収穫月が関係していると思われる「コーンムーン」や「バーレイムーン」という呼び名もあります。

●10月「ハンターズムーン/Hunter’s Moon(狩猟月)」

【10月の満月の名前】
・「ハンターズムーン/Hunter’s Moon(狩猟月)」
・「トラベルムーン/Travel Moon(移動月)」
・「ダイインググラスムーン/Dying Grass Moon(枯れ草月)」

10月の満月の名前は、夏の間に太った鹿や狐を狩るなど狩猟を始めるのに適した時期であることから「ハンターズムーン(Hunter’s Moon)」、和名は「狩猟月」です。この時期は9月のハーベストムーン同様、月明かりが特に明るく、時間も長いことから、ハンターは夜でも草木の枯れた原野で隠れることのできない獲物を追跡することができたと言います。そのほかに「トラベルムーン」や「ダイインググラスムーン」という呼び名があります。

●11月「フロストムーン/Frost Moon(霜月)」

【11月の満月の名前】
・「フロストムーン/Frost Moon(霜月)」
・「ビーバームーン/Beaver Moon(ビーバー月)」

少しずつ寒さが増していく11月の満月の名前は「フロストムーン(Frost Moon)」、和名は「霜月」です。また、「ビーバームーン」という名前も浸透しており、これは、ネイティブ・アメリカンが冬に着るビーバーの毛皮を確保するため、ビーバーを捕らえる罠を仕掛ける時期に由来するという説と、ビーバーが越冬のための巣作り(ダムづくり)を始める時期に由来するという説の2つがあるそうです。

●12月「コールドムーン/Cold Moon(寒月)」

【12月の満月の名前】
・「コールドムーン/Cold Moon(寒月)」
・「ロングナイトムーン/ Long Night Moon(長夜月)」
・「オークムーン/Oak Moon(オーク月)」

本格的な冬が訪れ寒さが強まる12月の満月の名前は「コールドムーン(Cold Moon)」、和名は「寒月」です。そのほか、冬の夜の長さを表す「ロングナイトムーン」や、家具やウイスキー・ワインなどの樽に使用される楢の木を表す「オークムーン」があります。

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日本人にも身近になったネイティブ・アメリカンが名づけた満月の名前

その昔、月のサイクルとともに生きていたネイティブ・アメリカンたちが、季節の暦代わりに名付けた満月の名前。それが今、日本に住む私たちも知ることとなり、その名とともに満月を愛でているのは、何か意味があることなのではないでしょうか。

そしてそれはおそらく、昔のように、月とともに生きること、月との関係を見直すためではないのかと思う私がいます。

先人たちにならい、月に親しみ、月とリズムを合わせた生活を意識する人が、これからもっと増えていくのかもしれませんね。

個人的にも、月のリズムに同調した生き方はおすすめです。今では月の動きを1日単位で追っていますが、最初は月に2回、新月と満月を意識したところからの始まりでした。

新月はわかりづらいので、まずは月に1度、空を見上げて満月を楽しむ習慣をつくってみてはいかがでしょうか。月は開運にも関連しているので、毎日が少しずつ変化していくかもしれません。

最後までお読みくださり、ありがとうございます。
月は地球の唯一の衛星です。月の恵み、そして月のご加護がありますように。

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