【龍神ちゃんと私】空を泳ぐ龍神

その日は祖母の告別式でした。
不参列だったので、晴れてよかった…そう思って朝、晴天の空を見ていると、細長い不思議な雲が目に留まりました。

まさか龍神ちゃん…?

その雲は他の厚く丸みを帯びた雲とは明らかに形状が違い、細長く細かな鱗状でした。そして他の雲が右へと流れていくのに対し、その流れに逆らうように、ゆっくりと下降するように左へと逆流していました。

よく見たらそのような細長い雲は上下に2〜3本。中央の雲は龍神の胴体のような形を維持したままゆっくりと流れていきます。

もしかしたら告別式には参列しない私の代わりに会場の方まで行って、辺りを浄化してくれたりして。なんて冗談まじりに思いながら、しばらくその雲をぼんやりと眺めていました。

それはまるで生き物のようにゆっくりと空を泳いでいきます。今までにも何度か龍雲らしきものは見ていますが、そんな動きをする雲を見たのは初めてでした。

そして驚いたことに、その龍の胴体のような雲は途切れることなく続き、尾のような終わりの部分が大きな雲に飲まれるまで、約1時間弱、くらいでしょうか。

窓の向こうに広がる目の前の空を、雲は、ゆっくりと時間をかけて、流れるように移動していきました。

その長い雲が、他の雲とは明らかに別の意思を持って逆流するように流れていく様は、見ていて本当に不思議な光景でした。生き物のように、龍のように見えました。(スピードはかなり遅かったですが…)。

龍神はエネルギー体だといいます。
そのエネルギーが雲の粒子をまとい、動いたとしたら、こんなふうに見えるのかもしれない、そう思いました。

そしてその雲がやはり龍神ちゃんかもしれない、そう思ったのは、最初は雲の行き先がわからなかったのですが、どうやらそれは祖母の告別式が行われる方角へと向かっていたからです。

いつものように、それがどんなメッセージなのかはわかりませんでしたが…今思えば、もしかしたらその龍雲は祖母を乗せていたのかもしれません。なぜそんなふうに思うのか、根拠は何ひとつないのですが…。

他にも、その日の空はいつもとは違う雲の様相で…ふと、鳳凰、という言葉が浮かんできました。鳳凰なんて、その昔つかまえたポケモンくらいでしかご縁のない言葉です。まさかと思い調べたら、鳳凰に見えなくもない形でしたが、うーん…どうなんだろう?

ただ、そんな日ごろご縁のない高尚な存在の名前が出てきたこと自体、普通じゃないので、その日の空は何か特別だったのだと思います。

祖母を見送るのに最高の空模様でした。

最後までお読みくださり、ありがとうございます。
メッセージをきちんと正しく受け取れたのかはわかりませんが、特別な日に姿を見せてくれた龍神ちゃんに、感謝をこめて。

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