【美人の足音】4.美人は美声で他人を癒す

人が発する音には様々なものがあります。中でも個人の印象に大きく関わってくるのが「声」。

声が綺麗な人、発声や話し方が美しい人は、それだけで好感度が増す気がします。男女問わず、「声が綺麗」「いい声をしている」と言われる方は、異性からの人気も高いですよね。

私は自分の声が好きではないので、透明感のある声の方、発声や話し方が美しい方には特に憧れを抱いてしまいます。

去年、落ち着いた声なのですがすごく透明感があって「綺麗だな」と思う声の持ち主に出会いました。彼女は電話などでの受け答えがとにかく美しく、例え言い淀んだり受け答えが雑になってしまっても、声、そして発声が綺麗なので、印象が悪くならないのです。

皆さんは普段、ご自身の声をどのくらい意識して話をしていますか?

人によっては仕事柄、ビジネススキルの1つとして、それからマナーとして発声や話し方を学ぶ方もいらっしゃいます。

プレゼンや演説などでは、話す内容もさることながら、声のトーンやスピード、リズム(抑揚)、話し方、もっと言えば表情や身振りなども含めて評価されることがほとんど。

メラビアンの法則では、矛盾したメッセージを発したときに、発信者の行動が他人にどのような影響を及ぼすか、という実験結果として、視覚情報55%、聴覚情報38%、言語情報7%という数値が出ています。

この場合、「矛盾したメッセージ」という前提はありますが、個人的にはこの前提がなかったとしても、各感覚が影響を受ける割合の順番は同じなのではないかと思っています。つまり、視覚からの情報を最優先するということは変わらないのではないかということ。

実際、メラビアンの法則は「見た目が大事論」につなげられることが多いですが、私が重要視すべきだと思うのは視覚情報ではなく、40%弱は聴覚からの情報を判断材料としていること。割合で見るなら40%シェアはそれなりに大きな数字です。

そして、視覚からの情報がない場合…例えば電話などで相手の姿が見えない場合は声だけが情報源となるため、声による影響はその後の印象にかなり大きく関わってきます。

もう1つ、聴覚からの影響を重視した方がいいのではないかと思う理由に「本能的な感覚」があります。視覚と違い、聴覚は「快」「不快」の感覚に直結しやすい気がするのです。

例えば、「声がすごく好きで」という感覚から恋心が芽生えたという話をよく聞きます。日頃よく聴く音楽も、多くの方が自分にとって心地よい声音のアーティストを選んでいることは言うまでもありません。

また、その逆もしかり。以前、知人とあるセミナー講師の方のことを話していたときに、知人が「話の内容以前に、声と話し方が嫌いだからあの人のセミナーは受講したくない」と言ったことがあり、手段でしかない声や話し方のせいで話を聞いてもらえないこともあるのだということがひどく印象的でした。

でも、無意識に声で人を選んでいる…ということは、よく考えたら私にも当てはまりました。

最近気づいたことなのですが、10年近く通っているホットヨガで、私はヨガのクラスを先生の声や誘導の心地よさで再受講を決める傾向があったんです。

リラクゼーション系のクラスを受講することが多いので、聞いていて心地よい声…声というよりは、声も含めて話し方や間などのリズム、イントネーション、強弱など、耳から入ってくる音の心地よさが得られる先生のクラスを無意識的に選んでいたことに気づきました。

この無意識の選別…おそらく私だけではなく、多くの人が「他人の声」を無意識的に選別し、何かしらの評価(好き、普通、嫌い、心地よい、耳障り、特に気にならないなど)をしているのではないでしょうか。

「1/fゆらぎ(エフぶんのいちゆらぎ)」に代表される波の音や川のせせらぎ、鳥のさえずり、木々の葉ずれの音にヒーリング効果を感じ、騒音で聴力障害や身体的なストレスが起こることを考えると、視覚よりも聴覚の方が繊細で、「快」「不快」と感じるものに対して敏感なのかもしれません。

そんな、人の「感覚」に影響を及ぼしている声。

声は、発生の仕方によって音の高低や印象を変えることができますし、話し方(スピードやリズム感など)でも声の印象はかなり変えることができるそうです。

自分の声は、他人が聞いている声とは違って聞こえるそうなので、自分の声を客観視することは難しいかもしれません。

けれども自分が発する音、特に持って生まれた身体の一部でもある声は、人の無意識の部分…感覚で、「特に何も思わない」ということも含め、少なからず何かしらの評価を受けています。

声の美しさに定義はありません。
個々の感覚によっても受け止め方は違うでしょう。
でも、美人は声も話し方も美しいもの。
そして、声で他人を癒しています。

初対面の人との挨拶の時、電話に出るとき、誰かに話しかけるとき…声を出す前に「いい声」を意識してから、発声する習慣をつけてみませんか?

その少しの意識が美しさを引き出し、さらには知らず知らずのうちに多くの人の心を癒しているかもしれません。

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