「神経を抜いた歯は痛くならない」の嘘

今日は歯医者さんの話です。今年もまたなぜかこの時期に歯科通いが始まりました。
病院嫌い、医者嫌いの私ですが、歯のあれこれは自分ではどうにもできないので全面降伏。毎回、まな板の上の鯉となり、手元のハンドタオルを握りしめ、恐怖に震えながら治療を受けております。

(幼少期のトラウマか、何をされるかわからない恐怖と未知の痛みがとにかく気持ち的にダメなのです…。でも、私が行っている歯医者の院長先生はとてもとても優しいです)。

今回は痛みを感じる歯があり、虫歯か知覚過敏かの確認でした。

ところが、問題はそこではなく、以前神経を抜いた歯。「詰め物が欠けているから詰め直さなければ」からの、「いやいや、保険外のセラミックでブリッジにしないとダメ(ほぼ歯を削ってセラミックを被せる10数万円かかる保険外治療)」の刑をいきなり宣告されました…。

親知らずでさえ大切にとっておいた私ですから、予想外の出費以上に、今ある歯を削ってなくさなければならないことに、とにかくショックを受けました。

でもこの日、地獄の時間はその後に待っていたのです…。

その日はいつもの院長先生ではなく、「今の医学では〜」「最新治療は〜」と、横文字と固有名詞と学術的なことを英語のように話すアメリカナイズな女性の先生。若くてきれいだけれど、上から目線の強引な感じがちょっと苦手だな、と思っていました。(いつもなら特に気にならないのでしょうが、なんせ場所は恐怖の歯科医院ですから…)。

でも、私の細かすぎる質問にも丁寧に答えてくださったので、歯科医としてはきっと優秀なのだろうと信頼しました。

そう、信頼したんです。信頼したのです…!

その後、予定外の根の治療をすることとなり、慌てて麻酔は不要かを聞きました。すると、「神経のない歯だから大丈夫」とのお返事が。

「……」

歯科医の皆さんがよく言う常套句です。「神経を抜いている歯は痛くなるはずがない、大丈夫」。

でも、私は知っていました、というか感じていました。レントゲンの画像を見せられて「神経は全部抜いて、神経のあったところには薬が入っているから大丈夫」と説明されても、その歯にはまだうっすらと感覚があることを…。

(なんなら、どうにかして失った歯の神経を復活させることができないか、を真剣に考えていた時期もあります…武井壮さんの「治らない、と言われた骨折を治したという話」を聞いて)

でも、「絶対平気だから」と先生に笑い飛ばされたので、それなら、とその言葉を信じ、信頼して、麻酔なしで治療を始めました。

そうしたら。

奥の方をぐっと押されたときにあの特有の痛みが…!!

私が過敏になっていたせいもあると思いますが、思わず飛び跳ねて「痛い…!なぜ…!」と訴えたら、「根の周囲にも神経はあるから痛みがあるのは正常なことなんですよ」と、しれっと説明されました。

もう、何も言えない…(涙)。

歯科医の皆さんにとってはこれは「歯の痛み」ではなく、「歯根の周囲の痛み」だから別もの、なのかもしれません。

でも…私からしたら、「ひどい!嘘つき!信じたのに…(涙)」という感じ。

歯科医は皆、「神経を抜いた歯は痛くならない」と言います。でも、それはこちらからしたら嘘!説明不足!

会計時には痛み止めの処方箋も出され、よくよく話をうかがうと…ひどい時は神経をいじったときのような痛みが出て、鎮痛剤が必須らしいです…。おそろしや。

痛みに強い方には無問題のことなのでしょうが、そうではない方は本当に本当に気をつけましょう。歯医者さんは治療はしてくれますが、患者の痛みまではそこまで気にしてはくれません。

改めて、歯科医選びは大事だ、先生との相性も大事だ、そして何より、「歯は大切にしなければ」と思い至ったのでありました。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

その昔、「芸能人は歯が命」というキャッチーなCMがありましたが、芸能人じゃなくても歯は大事。自分の歯、大切にしましょうね(自戒をこめて)。

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