美しくなりたい。
美しくあり続けたいーー。
女性なら一度は思ったことがあることかと思います。
私もそう思ってやまないひとりです。
「美」を意識する第一段階として、多くの方がまず外見を気にします。
それは「メラビアンの法則」からもわかること。
実際私も、ファッションや美容にお金をかけていた時期がありました。
でも数年前、聴覚から得る美もあることに気づかされました。
ある夏の日、友人の一言がきっかけでした。
その日、私は駅で友人と待ち合わせをしていました。
そして、地下鉄からの長い階段を上り切って友人を見つけたとき、こんなことを言われたのです。
「少し前に、ヒールの音がしたからあなたが来たかと思ったんだけど…あなたの足音はそんなに下品じゃない、と思っていたら、やっぱり違った。もっと若い女性だった」
多分友人はその時に感じたことを何気なく話しただけだったのだと思います。
けれども私はヒヤリとしました。
それまで、自分の足音をそこまで気にしたことがなかったから。
その時私は、先に階段を上がっていた女性と比べ、足音を褒められたことになります。
けれども私はそれを褒め言葉ではなく、何かを指摘されたような気持ちで受けとめていました。
「足音」というのは、それだけで相手に何かしらの印象を与えている。
そのことを思い知った瞬間でした。
それからです。
私が自分の発する「音」も気にするようになったのは。
ヒールの音を響かせてオフィス街を颯爽と歩くキャリアウーマンに憧れた時期もありましたが、そのたった数分の会話が、それ以降の美意識を変える大きな出来事となりました。
人は、美しいものに惹かれます。
そして「美しさ」には色々な形があります。
一番わかりやすいのはやはり視覚から得る美しさですが、でも、私たちが出す「音」にも美しさは潜んでいます。
例えば声、発生の仕方、話し方などもそうですよね。
外見美はもちろん大切。
でも、それだけでなく、日々、音にも美と品をまとわせることが、ワンランク上の美人の秘訣なのだと思います。
美をとことん追求するのであれば、歩き方のその先の、自分の発する足音にまで気を遣いたいですね。